2012年3月
職業ダイバー体質
パラオのレストランやショッピングセンターなどで、フリースや厚手のジャケットを着込んでいる人を見かけて、こんな暑い所なのにちょっと変と思った事はありませんか?
そういう私も、レストランなどへ行く時には冷房が強いこともあるので、必ず長袖を用意してから出かけます。

日焼けで真っ黒な顔をして健康そうなのに、厚着をしているのはたいていガイドなどをしている職業的ダイバーです。
いくら水温の高いパラオの海でも長時間海水につかっていて、それが毎日のようになると肌が敏感になってきて、エアコンの冷気が刺すように痛いのです。

もう日本にいた頃の潜水工事ダイバーで長時間寒い海に潜っている事はなくなったのだけど、今はシュノーケリングでガイドをしているので水着だけで1時間も海に入っているとやはり体はかなり冷えてきます。
ここで、普通のレジャーのダイバーとガイドなどをしている職業ダイバーとの違いは、プロとしての気力でたいていは寒さを我慢できることです。
随分昔に水温が8〜9度の冬の海で、ドライスーツもなかった頃なので普通のウェットスーツで潜って作業ができたのは若さと気力があったせいですかね。
    
今では、パラオのこの暑さには平気でも寒さには我慢できない体質になってしまったようで、夜寝るときには勿論エアコンや扇風機なし、さらに長袖、長ズボンのパジャマが必ず必要です。
そうでないと夜中に目が覚めたら肌が露出している部分の手や足が異常に冷たくなっているのに気付きます。
皮膚だけが過敏になっているのか、暑さはさほど感じません。

もう一つ、ダイバーならではの職業病としては難聴が。
深く潜っていくにしたがって水圧がかかり、耳抜きをくり返していると鼓膜が厚くなり、音の振動を伝えるのが弱くなり、聞こえ難くなってきます。
この前、私の古くからのダイバー仲間が久しぶりに集まったことがあり、その時にレストランが少し騒がしかったこともあったのだけど、会話にはいつも”エッ?”とか”もう一度?”の繰り返しでほとんど聞き取れないことが多く、みんながまるで老人会で集まっているような会話です。
私の場合は、特に男性の声の低音域が聞こえないようです。
たまに、聞こえない振りをすることで都合のいい時もあるのだけど・・・