2010年11月
パラオ中古車事情

  写真では良く見えるけど、
  実は解体屋行き寸前
8年前に中古で買った車を買い換えることにしました。
当時でもうすでにかなりくたびれていて、2年前からはもうそろそろ限界かなと言いながらもなんとか持ちこたえて使っていたのに、とうとう急な坂道になると上がれないほどパワーがなくなってきました。
外観はまだましなのに、エアコンが不動、パワーウィンドウがたまに動かなくなって蒸し風呂状態になったり、スコールの土砂降りの雨が入り込んでくるのに閉まらないことがある、サイドのドアが外からでは開かない、パワーステアリングのオイルが漏れる、水温計が不動、ワイパーの動きがおかしい、なぜだかよくパンクする、修理したばかりなのにブレーキが突然効かなくなる、その他有りで日本の道路だったらこんな状態では走れません。

しばらく前までパラオで走っている車は、自分の車もそうだけど、よくまあこんなボロボロで走ってられるなあと感心する程のが多かったのに、最近はパラオの人達も随分いい車に乗っています。
そんなにお金持ちではないはずなのに、と思っていると、新車がローンで買えちゃうようです。

8年前のパラオへの航海は、大阪をスタートして6ヶ月間各地を寄港しながら、最後の1ヶ月を石垣島で過ごしました。
その時に、東京から石垣の人に嫁いだ友人から聞いた話によると、全国でローンやキャッシングを利用する人の一番多いのが沖縄で、石垣島の人はキャッシングボックスはお金の出てくる便利な機械だと思っているらしいです。(沖縄の人ごめんなさい、聞いた話なもので)

沖縄や、パラオのような南国の暖かい気候では、生活に危機感を持つことが必要なく、なんとかなるということでローンで新車を買う人もいるようです。

パラオで中古車を探す場合には3つの方法があります。
日本のように店舗があって展示している所があるのと、だいたいの予算と車種を決めると日本から取り寄せてくれる業者がいて、船積み運賃と税関手数料などを含めた見積もりをしてくれます。
三つ目は個人売買で、自分の車の写真を張り紙にしてショッピングセンターの掲示板などに出していたり、[FOR SALE]の紙を貼り付けた車もよく走っています。

今回も少ない予算で探したのだけど、仕事で使う7・8人乗りだとなかなかなくて、そろそろ今にも止まってしまうのではないかというくらいになってきたので、少し不安だけど張り紙から電話をしてみました。
あまり期待もしないで、とりあえず見に行くと、以外にも程度がいいのでびっくり。
持ち主から聞くと、仕事の少ないパラオなので、個人タクシーを始めようと車を注文して、日本から届いたばかりの時に、アメリカ本土での溶接工としての仕事が決まって家族で移住することになり、早く売りたいという真面目なパラオ人で、丁度いい時だったので幸運でした。
最初の予算からは大幅に超えているけど、なんとかなる(南国病になってしまっているかもしれない)と思って決めました。

さて、古い車をどうするかというと、日本ならこんなボロ車は解体屋に引き取ってもらうしかなく、手数料に2万円くらいかかるようです。
ところがパラオでは、こんな程度の車でも売れると以前に聞いていたので、部品取り用に$200ドルで買う人はいないかと、何人かに声をかけると、すぐにその噂を聞きつけた人が何人もやって来ました。
後でトラブルになってはいけないので、この車は安いけど良くない、部品取り用だからと言って断るのだけど、とにかく試運転させてくれと言うので走っていると、後ろを追いかけてきた車から、私に売ってくれと言ってくる強引な中国人もいました。

パラオでは、高い車も売れるけど、走れさえすればいいといった安い車も依然大人気のようです。