2010年8月
フィッシュ・ウォッチング






    
パラオは海に入ると、海水魚図鑑をめくっているように次々に、鮮やかな色の魚たちが目の前に現れて来ます。
魚の名前を覚えたり、希少な種類の魚を探したりするのは苦手な方だけど、それでも最近の気になっている魚は、チョウチョウコショウダイの幼魚。
大人になって30cm位になると普通の魚なのに、幼魚では模様も全く違っていて、特徴は泳ぎ方で、胸びれと尾をヒラヒラとさせて、蝶々のように動き回っています。
いつもだいたい同じ場所にいて、今観察しているのはまだ1.5cmくらいに小さいのだけど、遠くからでもその泳ぎ方は目立つのですぐ分かります。
見ていると、全く休むことをしないで動き回っていて、目立って他の魚に食べられてしまうのではないかと思うのだけど、もしかしてその動きが魚ではないように見えることが幼魚のうちの防衛法なのかもしれません。

元々が熱心な魚観察好きではないのだけど、最近は陸上で、つまり魚屋さんでフィッシュ・ウォッチングをやってます。
意外と思うかもしれませんが、パラオでは売っている魚は少なくて、パラオ人は釣りと魚突きが好きでいっぱい魚を獲ってくるのだけど、家族や身内に配ってしまうので、特別なことがない限り魚をわざわざ買いに行くことはなく、魚屋さんをあまり必要としないのです。

うちの大家さんの息子も魚を獲りに行き、銛で突いて穴のあいた魚をよく貰うのだけど、最近は仕事が忙しいのか行っていないようで久しく魚を食べていません。
それで、少ないといっても幾つかある魚屋さんを回って(お店に魚が全く無いこともある)魚を買いに行ってきました。
今まで買わなかったのは、売り方が日本と違って何も表示がなく、捕れてからの保存の状態や、鮮度にも不安があり、なによりこのカラフルな魚達は美味しいかどうかがまるで分からなかったからです。
味でいえば、やはり南の海の暖かい海水温では日本の魚とは違って刺身で食べて美味しい魚は限られてしまいます。
最近になってやっと、貰った魚が熱帯海水魚図鑑のそのままであっても、調理法も一緒に聞いて、この魚では焼くとか、煮付けがいいか、フライにするとか、種類ごとの調理をすることで以外に美味しいことも分かりました。

大きなアイスボックスの蓋を持ち上げて氷をかき分けて、鮮やかな黄色や緑色の魚の中から、ようやく見分け方が分かった美味しくて鮮度のいい、銛で突いた穴のあるなしには関係なく魚を選び、重さを計り、どの種類でも一律の、1ポンド1ドル90セントで買います。

私のガイドしているシュノーケリングツアーでの魚の種類の説明には、名前は知らないけど美味しいかどうかが加わるようになってきました。