2010年7月
グリーン・フラッシュ


夕刻に起こる自然現象で、本などではグリーン・フラッシュという記述を何度も目にしているのに、私はまだ一度も見た事はありません。
パラオのPPRのビーチでは夕陽がよく見られ、いつも、今日こそはと思ってもやはりだめで、ほかの人に聞いても、知ってはいるけどという人がほとんどでも、実際に見たという人は誰もいません。

夕日の太陽が海に沈んで見えなくなった瞬間、緑色の閃光が現れるという幻想的な光景は本当なのか、それとも昔に実際に起こった稀な自然現象の言い伝えなのか、疑問に思っていました。
百科事典では、水平線上の太陽が大気の屈折率の関係で青い光が現れることもあると、もっともらしく書いてあるのだけど・・・

少し前にテレビの子供向けの科学実験の番組みで、回転する円盤の先端近くに赤い丸を幾つか描き、その手前に一部分を隠すような物を作り、その円盤をゆっくり回転させて、赤い玉を見つめて追っていくと、隠れた場所では緑色に見えてしまうという目の錯覚を試す実験でした。
目で見えている物と脳は、時に反応が違い、赤を見つめていると、急に消えた時には残像を、赤の反対色の緑色として脳は判断してしまうようです。

これで理論上ではこの現象もありえることを納得できました。
しかし、まだ疑り深い私は仮説を考えてみました。
実験でのように視界の中で小さな一部分だけが赤で、周りが黒っぽいものか白であれば赤い太陽が水平線に隠れた瞬間、緑に変わることも想像できます。
ただ、鮮やかな夕陽は太陽の周りや、空全体が赤くなっているので、黒っぽい風景に太陽だけが真っ赤という状況もなかなか普通では起こらないのではないかと思います。

さらに想像するのに、今の大気汚染が進んだ現在では不可能であるかもしれないけど、コロンブスやマゼランが航海していた頃には、毎日の異なった夕陽の風景では稀にこの状況になる場合があるかもしれないし、その頃の船乗り達は、今の私達にはない、見張りに必要な遠くを見る特別な眼を持っていて、遠くにある太陽だけを見つめることが出来れば多分可能になるのではないかと思います。
それであれば、望遠鏡を使って太陽を視界いっぱいに収めるようにすればグリーン・フラッシュを見ることが出来ると考えられます。
ただし、望遠鏡の使い方には、絶対に太陽に向けてはならないとあるし、かなり危険な行為かもしれないので、試してみる事にためらっているところです。